更新日 2024.09.21











 授法山上衍寺不退院第27世(方丈)の願空弘雄です。先代の法空正雄師寂により住職を引き継ぐことになり、早24年目を迎えることになりました。責任の重大性を日増しに感ずる今日この頃です。当院の開山は応永8年(1401年)、悦山暢喜上人というお方です。
2024年の現在から数えて623年前になります。この長い間には廃寺に追い込まれる時期が数度ありました。そのつど再建にご尽力をいただいたありがたいお方がおみえになりました。徳永城主徳永小七郎義雄というお方と八ツ面城主荒川甲斐守義広というお方、そして徳川家康の譜代の家臣である鳥居忠吉(元忠の実父)というお方の三名です。それぞれのお方については、後の資料に度々出てきますので参考にしてください。この御三方は不退院にとって大恩人のお方たちです。毎日の回向は欠かすことができません。代々言い伝えられていくお方たちです。地元の郷土研究だけでなく、全国的な歴史研究の対象にもなっておみえになります。 10数年前には、徳川家康の妹君である市場姫の全国的研究会の方々が数名、東京からお越しになりました。専属のカメラマンを連れての訪問でびっくりしました。また、数年前には鳥居元忠の全国的な研究組織(鳥居会)の方々が、バス一台を連ねて東京や長野からおみえになりました。地元の歴史研究家を伴って訪問されました。その後も鳥居会の方々が再来院されています。長い歴史の中に言い伝えられてきたことが、実際の歴史書の中に、そして今の時代にも痕跡として実在していることを知り、ある種の感動を覚えました。