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 名古屋展(6/23~6/27)は、予定通り開催します。
 
 

2021Message

名倉弘雄の独り言


2021コロナウイルス感染防止のための緊急事態宣言の対応

都美術館の休館要請について

美術作家は自分の信念に基づいて、日夜制作に励んでいる。多くの作家は、発表の場を美術館で行う展覧会に賭けている。一年に一度の発表に向けて全身全霊で打ち込んでいるのである。全く以て金にならない作品づくりは、作家個人のアイデンティティによるものではあるが、広い眼でとらえると日本の文化の向上に貢献している。作家にとって発表の場を失うことは死活問題になる。また、モチベーションの低下にも繋がる。強いては日本文化の低下にも繋がるのである。コロナウイルス感染の危機は誰もが平等に受けている。わがままは許されない状況下ではあるが、偏った政治判断には一言したい。都美術館を発表の場としている作家の一人として、今回の措置は納得いかないものである。マイノリティーの切り捨てや経済効果優先、政治効果優先、責任のがれの対応が目につくのである。
コロナウイルス感染対策は、自治体が優先することで国は助言程度だというのは政府の声明で分かった。最終的に文化庁が折れたのもしかたがない。しかし、都の方針には強い違和感を感じる。野球観戦や劇場は中止要請はなく、またデパートや遊園地等も中止要請もない。収容率50パーセントで営業可能美術館や博物館などの文化施設は全面中止要請というのは、全く不可解な判断である。文化施設で密になる心配は考えられない。商業施設などの方が感染リスクは、高い筈である。なぜ文化施設が全面中止なのかしっかり説明してほしい。経済効果だけを優先したような偏った政治的判断としか思えない。
 

 2021.05.12 名倉弘雄 記
 
 
 

文化庁長官の声明

 

文化庁長官からのお知らせ

 

文化芸術に関わる全ての皆様へ

 
本年四月二十五日から開始された三度目の緊急事態宣言においては、対象地域におけるすべての文化芸術関係の公演や施設についても無観客化や休業をお願いすることとなり、大変な混乱と御負担をおかけしました。練習や準備を積み重ねてきた関係者の方々、そして心待ちにされていた皆様のお気持ちを考えると非常に心苦しく思います。皆様のご理解とご協力に改めて深く御礼申し上げます。 この度、緊急事態措置を延長するに当たって、催物や一部の施設に関する政府の目安を緩和し、業種別ガイドラインに基づく感染症対策の徹底など、新型コロナウイルス感染症対策へご協力いただくことを前提に、宣言下においても一定の活動を継続いただけることとなりました。 感染拡大のリスクをできる限り抑えながら、文化芸術活動を続けていくことは、不可能なことでは決してありません。したがって、文化芸術活動の休止を求めることは、あらゆる手段を尽くした上での最終的な手段であるべきと考えます。 皆様におかれては、これからも文化芸術に関する活動を、可能な限りご継続ください。文化庁長官として私が先頭に立って、そのための支援に全力を尽くしてまいります。 文化庁に設置した感染症対策のアドバイザリーボードの提言 では、クラシックコンサート・演劇等の公演は、観客が大声で歓声、声援等を行うものではないため、観客席における飛沫の発生は少なく、感染拡大のリスクは低いとされています 。これらの公演については、消毒や換気、検温、マスク着用の徹底はもちろん、観客席で大声を出さないことの周知徹底を行い、入退場時やトイレ等での密が発生しないための措置の実施や感染防止策を行ったエリア以外での飲食の制限、公演前後の練習や楽屋等での対策等を業種別ガイドラインに基づき行えば、リスクを最小限にしながら実施することが可能です。 また、来場者が静かな環境で鑑賞を行う博物館や美術館、映画館等においても、飛沫による感染拡大のリスクは低いと考えられ、消毒や換気、検温、マスク着用の徹底に加えて、予約制の導入等による入退場の適切な管理を行い、展示の種類や態様に応じて密が発生しないような措置を講じるとともに、トイレやレストラン、カフェテリア等における感染防止策を業種別ガイドラインに基づき徹底すれば、リスクを最小限にしながら開館することが可能だと考えられます。 実際に、このような感染症対策が適切に講じられている公演や展示において、来場者間で感染が広がった事例は報告されていません。 これまでの新型コロナウイルス感染症との過酷な闘いの中で明らかになったことは、このような未曽有の困難と不安の中、私たちに安らぎと勇気、明日への希望を与えてくれたのが、文化であり芸術であったということです。 文化芸術活動は、断じて不要でもなければ不急でもありません。このような状況であるからこそ、社会全体の健康や幸福を維持し、私たちが生きていく上で、必要不可欠なものであると確信しています。
 

令和三年五月 文化庁長官 都倉俊一

 

メディアの反応

文化芸術活動の休止求めるのは「最終的な手段であるべき」の声明に反響広がる

 
文化芸術活動の休止を求めるのは最終的な手段 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い4月25日、三度目の緊急事態宣言が発令された。対象地域の東京、大阪、兵庫、京都の4都府県では、文化芸術関係の公演や施設についても無観客化や休業を要請されていた。 しかし5月12日以降も緊急事態宣言は延長されることとなり、対象地域に愛知県と福岡県も加わった。ただし催物などの開催制限は、感染症対策を実施したうえで上限を5000人にするなどと要請が緩和された。 こうした状況を受けて都倉長官はメッセージで、感染拡大のリスクをできる限り抑えながら、文化芸術活動を続けていくことは不可能ではないとし、「文化芸術活動の休止を求めることは、あらゆる手段を尽くした上での最終的な手段であるべきと考えます」という見方を示す。さらには文化庁に設置した感染症対策のアドバイザリーボードの提言を参考にしながら、文化芸術が継続可能であることやその必要性を強く訴える。「これまでの新型コロナウイルス感染症との過酷な闘いの中で明らかになったことは、このような未曽有の困難と不安の中、私たちに安らぎと勇気、明日への希望を与えてくれたのが、文化であり芸術であったということです。文化芸術活動は、断じて不要でもなければ不急でもありません。このような状況であるからこそ、社会全体の健康や幸福を維持し、私たちが生きていく上で、必要不可欠なものであると確信しています。・・・・

 

                      J-CAST ニュースより抜粋
 
 

 
補償なき臨時休館で失われる鑑賞機会。現場からは「大変厳しい」

 

失われた鑑賞の機会

 
 4月25日に東京、京都、大阪、兵庫に発出された3度目となる緊急事態宣言。これを受け、各都府県では多くの美術館・博物館が臨時休館に入った。
 
 今回の緊急事態宣言で、東京都の小池知事は「人流の抑制」や「日中を含む不要不急の外出自粛」を呼びかける。昨年4月の状況を思い起こさせる状況だ。
 当時は日本全国の美術館・博物館が閉鎖され、「文化の灯火」が消えた。美術館は作品や文化財を守るため、温湿度を一定に保てる強力な空調装置を24時間稼働させているが、加えて各ミュージアムはコロナに対応すべく、予約制による定員の抑制や消毒・検温の実施など、様々な対策を講じてきたことは言うまでもない。
 今回の緊急事態宣言で休館となった東京藝術大学大学美術館准教授で博物館学が専門の熊澤弘はこう語る。「これまで、美術館・博物館は各種ガイドラインに基づく感染対策を行い、展示構成も『密』を避けるための努力を続けてきた。その努力の結果、これまで美術館・博物館から感染者のクラスターが発生しているエビデンスはないと理解している。今回の要請内容が科学的に正当な内容なのか? その科学的根拠を、事後であっても問うべきだと思われる」。
 今回の宣言でミュージアムは休業協力要請の対象とされ、現場は対応に追われた。ある都内の美術館で働く学芸員はこう語る。
 「急な要請により、直ちに休館しなければならなかったため大変困惑している。何より来館を予定していた方への鑑賞の機会が失われたことが残念でならない。展覧会を企画する学芸員としても、昨年に引き続き心苦しく思う」。
 

休館で損失も計り知れず

 
休館は経済的なダメージも大きい。とくに大型展ともなると、美術館だけでなく展覧会を主催する事業者にも影響は及ぶ。
 そもそもコロナ以降、美術館では定員抑制のために数十万人を動員するような展覧会はできず、その収益は大きく低下している。そうしたなか、本来であれば大型連休は主催者にとってかき入れどきだった。
 先の学芸員は「今後もこの状況が続くようであれば、見込まれた収益の損失を展覧会入場料にあらかじめ上乗せせざるを得ないことが起きるだろう」と予測する。また展覧会を主催するメディアの担当者も「2週間超の休館で運営側の損失も計り知れない」と悲嘆にくれる。
 東京藝大・熊澤も、「日中の人の動きを抑制するために今回の緊急事態宣言での休館要請が出たと理解している」としつつ、「ゴールデンウィークという多くの来場者が見込まれるタイミングで実施されている点で、じつに厳しい措置だ」とし、補償の必要性を訴えた。
 「発出を要請した側(国、地方公共団体)は今回の措置に対するケアがあるべきだろう。例えば、来場者がなくなる(=入場料を獲得できない)ことへの経済的な損失がまず思い起こされる。今回の措置のすべてをカバーすることは難しいとは言え、補償はなされるべきではないか。いずれにせよ、今回の措置は図書館を含めた社会教育施設にも及んでおり、文化・芸術の活動全般に大きなダメージを与えている。このダメージの回復には時間がかかるため、今後より継続的な対処が望まれる」。
 最初の緊急事態宣言は結果的に1ヶ月半にわたり続いた。今回の宣言の期限は5月11日。休業要請に応じた施設や事業者に報いるためにも、国や自治体は科学的な根拠に基づいた対策を行い、宣言の延長がなされない状況にすることが責務だ。
 

美術手帖の記事より

 
 
 

中部日府展は予定どおり開催

 

ご高覧頂けますようお願い致します。

 

 
 
 

 

 お伝え事項

 

名倉弘雄は1990年に理事推挙を頂きましたが、その後しばらく退会をしていました。
2013年に復帰をし、現在は参事の肩書で参加しています。
 

 

更新日 2021.06.30